無料セミナー参加者の期待値と主催者側の思惑とのギャップ

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はじめに

早いもので2022年も1/4が終わりまして4月に入りまして、3月は日本の多くの企業における年度末で忙しい時期ですよね。たまたま仕事でそんな忙しい時期に無料Webinarというものを行いました。行ったというとおこがましく私は開催を委託した側なので単なる企画者で、発注者側です。まぁそのつもりだったのに人がいなくて登壇もいたしました。

この記事を読まれている方は、日頃どのくらいの頻度で無料のWebinarに参加されているのかわからず書いておりますが、私の場合ですと、B2BのSaas関連分野が今の仕事の分野なのでその関連の気になったテーマのWebinarは登録するなど情報収集の一環で比較的まめに見ている方ではないかと思います。とはいえ登録してても実際に全部参加できた試しがないですけど。

もともと無料セミナーというのはたくさん開催されていた時代からこの手の情報収集はフットワーク軽めに行っていたので肌感覚も少しあるのですが、2020年のCOVID-19でStay Home期間に一気に無料のWebinarという形でオンラインのツールとして浸透していった感はあります。頻度が増えたとはいえ開催される規模は数名のWebinarから4桁超の参加者まで規模は様々。直営社員お手製のWebinar企画からイベント会社やメディア企業が主催する大規模なものまで様々あります。

20年頃はノウハウを持っている個人が運営しているWebinarの方が参加者とインタラクティブにQ&Aをするなどオンラインらしさの点で満足度が高く、逆にメディア系企業のオンラインセミナーは有償・無償問わず満足度が低かった印象です。きっと22年の今ではそうした個人が企業に雇用されたりして会社の事業として成り立つようになったのか企業直営のお手製Webinarの方が逆に貴重なのかも知れないですね。

そんな回顧録はさておき、私自身の参加者、主催者双方の経験から、両者の期待値におけるギャップについて書いてみたいと思います。

なぜギャップについて書くのか?

主催イベントのアンケートのコメントの中で、思いのほか主催者の意図とは違うコメントがある事に気付いたからです。私の場合、いわゆるマーケティングやカスタマーサクセスといった分野で物事を考えがちなので、登壇者より主催企業の取扱製品やセミナー以降のアクション部分に興味が湧くのですが、参加者の多くは登壇者のテーマの方だけに向いている点で、人の動きはある程度は意図して流れを作れるのだな、という理解に至ったからです。イベントを企画した側としてはうまく行ったんだろうと考えてはいます。

参加者の期待値

  • 純粋にテーマに興味があった(知識を得たい)
  • そのテーマに興味がある参加者に興味がある(そして自分の客にしたい)
  • そのテーマでセミナーをする主催者に興味がある

とかでしょうか。つまりは参加者ご自身(または参加を頼んだ人)の興味がある情報を得ること。私個人の場合は、テーマに興味があるので、今後も情報収集したいからセミナー主催者に情報提供してもらいたい、という期待感があったりします。自分で全部の興味に対して情報収集し続けるには限界ありますし。

主催者の期待値

テクニカルな観点ではこういう記事もありますが、記事にあるとおり、リード数、参加者数とあります通り、参加者に対して次のアクション(多くは営業活動)する事です。その目的のためにコストをかけてイベントを開催しているのです。

  • たいていの目的は製品やサービスを知ってもらうこと(認知の拡大)
  • 製品やサービスについての営業先リストの獲得

つまりは潜在顧客のリスト化じゃないでしょうか。だから事前事後のアンケートには営業活動して良いのかどうかのパーミッションを得るような文言を入れて同意していただく形になっております。せm

両者が持つ期待値が交差するセミナー会場

ということで期待値としては

潜在顧客 vs 知識を得る

と基本的に製品やサービスの営業活動をしたい人と、何かの目的で知識を得たい、学びたい人が一堂に会する場所というのがセミナー、という事になります。この中には主催者ではなくセミナー参加者の顔をしてセミナーに参加している人に興味があるという、主催者の同業他社や別の商品・サービスを提供している人も混じってしまいますが、比率としては低いので省いておきます。

主催者は製品やサービスの潜在顧客を探すために著名な講師をお招きしたりしてコストをかけて集客する企画を立て実行しているので、参加者自身が気づくか気づかないかは関係なく、主催者が伝えたい製品・サービスの情報に興味があるという構図になっているわけです。最初からそういう構図で成り立っているものであるとわかっているとセミナーに参加したら「宣伝ばかりだった」とか「勉強できると思ったのに宣伝」みたいな感想は出ないはずなのですが、実際には意外とあります。全体の中ではごく少数ですが、面白いことに主催企業以外の著名講師のセッションにも数%は存在しておりましてこの辺りから両者の期待値のギャップというのがあると考えたきっかけです。

なぜギャップが生まれるのかの考察

そもそもセミナー開催の時点でテーマや目的が決まっているので、どの登壇者もそのテーマに沿ってシナリオを考えます。よって発表する際に似たテーマになる部分が生まれてくるのは当然といえば当然です。そうした主催者の期待値に応えてくれる実績が多いから著名講師となっているわけでして、決して話が面白いだけだったり参加者の興味を引くネタが豊富というだけで引っ張りだこにいる訳ではないと少なくとも私は考えております。

というわけで

登壇者+主催者 vs 参加者

という構図なのが普通の状態でして、本当に素晴らしい講師の方ですと、主催者が認知拡大させたい商品やサービスへの興味を上手に促していただけたりします。とても自然に興味が湧くようにしているのです。このレベルになるとテレビの通販番組ほど直接的じゃないにしても立派なセールスパーソンだと思ってしまいます。要するに講演する内容に占める宣伝コーナーの比率が重要ということなのかもしれないですね。

おそらく「参加者の興味」領域と「主催者の目的である製品・サービス紹介」領域のバランスが崩れている場合、参加者は期待値を裏切られたと考え、主催者は意図した結果を得られないというギャップが生まれるのではないかと考えました。

世の中にはこの辺りをうまく説明する方程式とか存在するのかも知れないので、もしご存知の方がいましたらぜひ教えてください!

アンケートに回答しないのは損

みなさん、セミナー後のアンケートって回答してます?よく景品プレゼントします!とかでアンケートへの回答を促すイベントってありますよね。リアルな会場でのイベントですとセミナー後のアンケートか収集数が全てだったりもしますが、オンライン開催で事前登録だと実は状況が違いまして、リードと言われる潜在顧客リストの作成という観点ではイベント登録時に実現できていたりします。その中で当日参加しているのか?どの講演に興味を持っているのか?などからリードがホットかどうかを判断して次のアクションに入るので、イベントに参加した際のアンケートには素直に回答しておいた方が、実は参加者にとっても有益な情報を得られる機会になりますし、もちろん主催者もそうした情報を活かしていわゆるナーチャリングしていくと、非効率な営業活動からも解放されるのだとは思います。まぁセミナーには興味あってもその後の営業活動に興味ない人がほとんどですが、そうした限られた中から実際の製品・サービスの購買につながる良い縁が生まれているのも事実でして、この辺りがビジネスにおけるコミュニケーションを生み出していくダイナミズムを感じる部分ではあります。

まとめ

思いのほか長々書いてしまいましたが、オンライン中心の顧客接点が当たり前に生活の中に入ってきた時代なので、以前のように本屋でたまたま目に入った本で運命変わるとかのような偶発的な出会いは減った反面、自らが多くの情報から取捨選択していくゆとりを持てる環境になった事と、SNSの技術で参加者から主催者に切り替わる事も簡単になっている事から、実は両方の視点を理解していくことは今の時代にも必要な知識なのかもしれないと思って書いてみました。今度無料セミナーを見るときに、少し違った視点で情報を受け取れるようになっていたら嬉しいです。

プロフィール
書いた人
野崎 秀吾

Content Syncretist(コンテンツシンクレティスト)
コーヒーとクラフトビール好きです。平日日勤帯は在宅勤務が多いです。
ジェネレーションアルファ世代の双子の父。
Brompton乗ってます。
最近のプロジェクト:
* AIを活用して、架空のファッション雑誌風写真集を出版。

Tokyo WFH Radioはテレワークで出勤時間相当の可処分時間が出来たので、独学者として活動したアウトプットを中心に書いているブログです。

SNSで私を見かけたら、ぜひお声掛けください。AIとクリエイティビティ、音楽制作の裏側、あるいは日常のことなど、皆さんとの交流を楽しみにしています。

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