先日、気になって問い合わせてみた記事をお読みになった方から、サポートから回答がもらえたという情報をいただいたので、続報として現時点(2022年2月22日)の情報を共有いたします。
Essentials Starterエディションへの移行が可能なのは?
- Enterprise Essentialsからのダウングレードの場合のみ可能
- 他のエディション(無償版含む)からの移行は不可
- G Suite無償版は解約した上で、新規に申し込む必要がある
先日の記事でも一応記述いたしましたが、
この記述からするにStarterというプランはEnterprise Essentialsからのダウングレードの位置づけのようです。
https://wfhradio.tokyo/2022/02/19/g-suite%e7%84%a1%e5%84%9f%e7%89%88%e3%81%8b%e3%82%89essentials-starter%e3%82%a8%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b3%e3%81%b8%e3%81%ae%e5%a4%89%e6%9b%b4%e3%81%af%e5%8f%af%e8%83%bd%e3%81%8b/
と言うGoogleが公開しているサポートページから読み取れる情報が正であると言う点が確認できたと思いました。
読み取った元のページはこちら「Essentials Starter エディションに切り替える」。
確かにEnterprise Essentialsからのダウングレードの話は書いてあるわけですが、他のエディションから移行不可である点がわからない書き方になっているので、申込可能なユーザーはEnterprise Essentialsダウングレードする人か、新規申込の人のみである点をわかりやすくして欲しいと思います。
これでだいぶモヤモヤが解消する人も増えると良いのですが。
Essentials Starterの位置づけを考える
せっかくなので、このEssentials Starterがどういうプロダクトなのかを少し想像してみます。
特長、ターゲット顧客
Essentials Starterには無料であるという特長もありますが、そもそもメール機能がありません。独自ドメインは使えるようになってはいるものの、Meetでのコミュニケーション、ファイル共有も含めたオンライン会議に特化したプランと言えると思います。独自ドメインは使えるけど、Meetに特化ってどういうターゲットなのか?メールは既に独自ドメインで利用している企業が、オンライン会議などのツールを導入する際に選択して欲しいプランというのは1つ言えそうです。
ライバル
対抗馬となるとZoomが有名な分野ですが、実質的な対抗馬は同じくストレージ部分も含んでいるMicrosoft Teamsだと思います。ZoomもTeamsももともと無料版でフリーミアムからPLG(Product Led Growth)で顧客化していく点を意識した設計になっているように見えるので、今回のGoogleのEssentials Starter発表によってこのセグメントのプロダクトの選択肢の1つに入れていくという意図があったと想像しました。
なぜ今更?な話は、今回取り上げている話のもとにあるG Suite無償版の終了が発表されるまで、Googleはずーっとフリーミアムな市場で地味に勝者だったからだと思っています。今でも個人向けであればGmailやそこから拡がるApps類の分野で十分な競争力があります。視点をB2BのSmall Businessな領域に移すと、競合との競争が加速していますし、更にパンデミックでかわったSaas市場では更なる成長機会を求めていたのだろうと勝手に想像しています。
そう考えると折角アップセルする可能性があるG Suite無償版顧客からわざわざダウングレードをしやすくさせるような位置づけで設計しないというのはプロダクト側の視点ではわからなくもないかな、とは思います。もともとグループウェアとコミュニケーションツールは違うジャンルという位置づけ商品設計しているのだと思ってますし。当然ですが、Google Workspace等の売りであるSuite系サービスを使っている顧客の単価を下げるためにも使いたくないのも理解可能、といえば可能です。
1ユーザーから見えた顧客体験
とはいえ、実際のニュースを見て興味を持った1ユーザーとしての見解でしかありませんが、マーケティングメッセージから抱いた期待感と実際の仕様がだいぶ違うという体験をしている人も少なからずいるように思います。
ぜひG Suite無償版から強制移行が始まるまでの間に、もう少し柔軟且つ魅力的な移行プランを長らく愛用している既存のG Suite無償版ユーザーには提案していただきたいものです。製品の技術力という点では今でも大多数が評価しているはずですので。
追伸:貴重な情報提供をいただきありがとうございました。
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