はじめに
あいにく自分自身のでオンラインサロンというものを運営しておりませんし関連もないのですが(といいつつこのドメイン等にもBrave Rewardsは設定してますが)、なぜだかお会いした人からサロンやった方が良いと言われる事がゼロではないので、オンラインサロンというキーワードは意識の片隅にあります。日本だと西野さんやホリエモンさんなど著名な人がやっているというイメージが強いオンラインサロンですが、もちろん私も興味自体はあって過去にいくつか参加した事はありました。その時は私にとってはファンクラブ的な位置付けじゃないかな、ということで小室哲哉さんや、大沢伸一さんなど好きなアーティストのサロンに参加しました。他にもビジネス系でも参加したこともあるのですが、ビジネス系の割には主催者の活動のファンクラブ的なサロンに見えてしまい自分の日頃の仕事と関連が薄い部分が逆に目立ってきたので早々に退会してしまいました。そうした経験から、ビジネス系のオンラインサロンに課金し続ける人の心理についてはとても興味がありました。
今回、なんとなく行きつけの美容院の人との会話でその一端を知ることが出来たので、自分なりの理解を書き出してみたいと思います。
コミュニティ参加者の大半はROM
まずヒアリングした方のプロファイルとしては40代、男性、数期に渡って店舗経営中、ネットに詳しいわけではないが必要なことについては情報取集を欠かさない、ような方。そういう意味ではネットビジネスに興味があって知るわけではなく、自分の事業に関連ある情報収集の延長でサロンに参加しているそうです。参加しているサロンは2つで月1000円程度のものと、高額会費の経営者オンリーの招待制サロン。サロンの規模は詳しく聞いてませんが低額の方はそこそこ参加者が多いようです。今回あえてどちらのサロンの話かは不明瞭にして抽象化してヒアリングした情報をまとめてみたいと思います。
まず、参加の動機としては、世間で流行っていたのでやってみようと思った、というものでした。そうしているうちにインビテーションをもらったそうなので、まずは大きいサロンに入って既存の会員の方と交流はしたという流れなのでしょうね。
サロン会員を継続し続ける動機の方ですが、質問したいことがあるから参加しているわけではないようですし、かと行って良質な情報が流通していてその情報を積極的に取りに行っているわけでもないように受け取りました。やりとりしている情報を見て自分自身の課題のヒントをもらっている、とおっしゃっていたのでつまりはオンライン上の会話がダイレクトに参加者の課題解決に直結していなくても気にしなくて良いと思います。言い換えるなら“何かしらのインサイト”を得るために課金しているということなのでしょう。聞くところ、発言している人よりROMの方が圧倒的に多いようです。まあそうでしょう。
しかしそれでは一定のインサイトを得たら退出してしまうのではないか?という疑問が生まれると思います。色々伺った中で私なりに感じたのは、そのサロンに帰属していることによる安心感を得るため、と理解しました。若干の語弊はあると思いますけど。リアルかオンラインかはアクセスする手段の違いでしかないので、同業界のサロンであれば近しい課題を抱えているケースも多く、会話の中に解決の機会も見出せるという便益と、そうした情報を得ることで孤独になりがちな経営者の支えになっているのだな、と考えました。今でも機能しているところもあると思いますが、地元の商工会議所の集まりとかも似たような効能なんじゃない?と思いました。
大事なのは
そうした中で、サロン運営者目線で大切にすべき事を想像してみますと、参加者を2つに分けて、発言する人とROMの人に共通する情報発信が最低限必要という事じゃないでしょうか。とかく目の前でコメントしてくれる人ばかりに目がいきそうですが、実はその何倍もの人がやりとりをみてくれているわけでして、その各々の人が各々の感想を持つことでオンラインサロンの社会的評価も下されてしまうので、やりとりに見えないからといって蔑ろにしてはいけない、ということでしょう。別にオンラインに限らずコミュニティ運営でもケアすべきサイレントマジョリティという意識は共通でしょうし、一般社会全般と違って、自分自身がコミュニティを運営しているコントローラー側であれば尚更配慮が必要なことだと再認識しました。
更にはそのコミュニティに課金が加わるオンラインサロンの運営で意識する必要がある事としては、会費を支払っている参加者の帰属意識をもってもらえるように運営する事じゃないでしょうか。もちろん意識して支えていると考えてもらう必要はないわけですが、そのコミュニティから不要と思われているのではないか?など参加し続けるためのモチベーションが下がるようなことがあると、離れていってしまうのかもしれません。なので、運営者側はオープンなコミュニケーションをしつつ、必要な場合はクローズドな場、時にはオフラインのコミュニケーションで多層のケアが必要なのでしょう。
まとめ
今回はオンラインサロン参加者側の観察から、コミュニティ形成で配慮すべき点を想像した内容をオープンに運営すると運営者側の思惑もダイレクトに伝わってしまうため邪な発想だけでは成り立たなくなる気もしますが、利用者が利用継続してくれる背景を理解していくことはサービス開発する場合にも共通する話題と思いましたので、自分としては良い知見を得られました。
たまたまノーコードの環境を調べていた際に、オンラインスクールも自前で作れるという話を知り、Udemyで大量に動画を販売されている石崎さんのブログに行き着いたのですが、「たった1人で運営するオンラインスクールの作り方」という記事では基本的に以下の4つのプロセスを考える必要があるそうです。
- 制作
- 集客
- 販売
- 継続
コンテンツ作って、買ってくれる人を集め、買ってもらい、利用継続してもらう、という4段階を実現するプラットフォームがあれば良いということですので、今回の話題にしたオンラインサロンであれば制作するのはサロンから提供する情報価値とかに置き換える形でしょうか。
- サロン企画
- 集客
- 販売
- 継続
そう置き換えてしまうと、普通に事業企画することと大きな違いもないのかな、と思えますし、対象の市場を理解することができてさえいれば、オンラインサロン運営でもB2B事業でも抽象度の高いレベルではある程度のテンプレートはあるのかも知れませんね。個人的には“象を冷蔵庫に入れる問題”という同じ頭の体操に思えてきました。
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