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生成AI時代に「内部資料をそのままAIに入れてはいけない」理由と、正しい活用方法

最近、大企業だけでなく中堅中小でも社内資料やプレゼン作成で ChatGPT / Gemini を使うケースが増えていますよね。もちろんそれらLLMを基盤につかったAIサービスを導入する企業も増えていると思います。
とても便利ですが、議事録や内部資料をそのまま貼り付ける行為 には注意が必要です。

本記事では、

  • なぜ危険なのか
  • どこが誤解されやすいのか
  • 正しい活用ルールと実務フロー

をわかりやすく整理します。


🚫 よくある誤解:「AIに学習されてしまうから危険」

AIベンダーの利用規約などで登場する 「train and improve our models」 は、

「ユーザーの入力をそのまま記憶し、永続的に取り込む」

という意味ではありません。

✅ ただし重要なポイント

「学習されない」 = 「完全に安全」ではない

なぜなら、

  • 入力データは 一時的にログとして保持 される可能性がある
  • 障害対応や品質検証の際に 内部担当者が参照できる場合がある
  • 特に 海外SaaS では法的管轄が国外

つまり、

情報が“漏れる”可能性ではなく、“コントロール不能になる”危険性 がある


⚠️ 本当のリスクは「誤情報の外部展開」

生成AIは 「もっともらしい文脈で綺麗な嘘を書く」 性質を持ちます。

裏取りをせずに、

  • 提案資料
  • 社内説明用資料
  • クライアント向けプレゼン

に使うと、

❗ 自信満々な誤情報が外に出る

これは情報漏洩より深刻なダメージになり得ます。


🔐 情報レベル別:AI利用ルール(保存版)

区分内容例AI利用可否推奨ツール
A: 極秘人事 / 個人情報 / M&A / 非公開数値AI入力禁止人手のみ
B: 機密社内議事録 / 設計資料 / 顧客情報クラウドAI禁止ローカルLLM / 企業専用AI
C: 公開前草案企画書 / プレゼン初稿クラウドAI可(要チェック)ChatGPT / Gemini / Copilot
D: 公開済み資料広報 / ブログ / 公表資料制限なしどれでもOK

迷ったら「B: 機密」扱い


🧭 実務ワークフロー:会議 → 資料化


✅ AIに入れる前のチェックリスト(5秒で確認)

以下のうち1つでも当てはまればクラウドAIに貼らない:

  1. 個人名や顧客名が含まれている
  2. 社内未公開の数値・計画が含まれている
  3. 上長確認がまだの資料である
  4. AI出力を検証せずに利用する予定である

補足するまでも無い話なのですが、3の上長確認については、上長も人間なので確認済になれば良い、という話ではないので運用しているチーム全体の知識や知見としてリスクを理解するためのカリキュラムがある前提ですね。


🧱 AIは「作業代行者」ではなく「思考整理装置」

生成AIは 考えを言語化し、整理し、整形するのが得意 です。

しかし、

結論と責任は人間が持つもの。

AIに任せる → 仕事が速くなる
思考を放棄する → 情報事故を起こす


📚 出典・参照元

● OpenAI 公式ドキュメント

  • How your data is used to improve model performance
    https://help.openai.com/en/articles/5722486-how-your-data-is-used-to-improve-model-performance
  • Data usage policy / ChatGPT consumer services
    https://openai.com/policies/how-your-data-is-used-to-improve-model-performance
  • Privacy Policy (ROW)
    https://openai.com/policies/row-privacy-policy
  • Data Controls FAQ(データ利用のオプトアウト手順)
    https://help.openai.com/en/articles/7730893-data-controls-faq

● Google / Gemini (データ利用に関する説明)

  • About Your Data in Gemini Apps
    https://support.google.com/gemini/answer/13594961

● Microsoft / Azure OpenAI(企業用途におけるデータ非学習)

  • Data, Privacy, and Security for Azure OpenAI
    https://learn.microsoft.com/azure/ai-services/openai/overview#data-privacy

● 外部専門メディア

  • How to opt-out of AI training data collection (Publisher-side)
    https://blog.getadmiral.com/how-publishers-can-opt-out-of-ai-training-bots

プロフィール
書いた人
野崎 秀吾

Content Syncretist(コンテンツシンクレティスト)
コーヒーとクラフトビール好きです。平日日勤帯は在宅勤務が多いです。
ジェネレーションアルファ世代の双子の父。
Brompton乗ってます。
Tokyo WFH Radioはテレワークで出勤時間相当の可処分時間が出来たので、独学者として活動したアウトプットを中心に書いているブログです。

SNSで私を見かけたら、ぜひお声掛けください。AIとクリエイティビティ、音楽制作の裏側、あるいは日常のことなど、皆さんとの交流を楽しみにしています。

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