「AIに仕事を奪われる未来」──この言葉、もう聞き飽きましたよね。
でも20代の僕らにとっては、聞き流せないリアルでもある。
社会に出たばかりで、キャリアの地図もまだ白紙。そんな時代に「AIが君の仕事を半分やるかもよ」なんて言われたら、不安になるのは当たり前です。
実際、僕も就活のとき「10年後、この仕事残ってるのかな…」と心のどこかで思ってました。
きっと今この記事を読んでいるあなたも、同じようにモヤモヤしているのでは?
AIに勝てないのは、もう認めちゃおう
まずは正直に言いましょう。
AIのスピードと正確さに、人間は勝てません。
データ整理、数字の分析、効率的な提案──これらを人間が頑張っても、AIの方が何倍も速い。
ここで「いやいや、人間にしかできないことがある!」って空元気で言うのは簡単です。
でも、その一歩手前で「勝てないものは勝てない」と腹をくくることが、実は大事だと思うんです。
そのうえで考えたいのは、**「じゃあ人間だからこそ価値があるものって何?」**という問いです。
面接にAIがいたらどうなる?
ちょっと想像してみてください。
就活の面接に、もしAIが応募してきたら?
質問に対して、AIは完璧に答えます。
志望動機も論理的。会社の強みも業界のトレンドも瞬時に分析してベスト回答。
──でも、あなたが面接官なら本当にAIを採用しますか?
きっとしないですよね。
なぜなら、面接官が見たいのは「正解」じゃないからです。
その人が迷ったり、つまずいたりしながら「自分の言葉」で話しているかどうか。
そこに人間味があるし、信頼も生まれる。
つまり、人間の価値は“正確さ”じゃなく、“不完全さ”に宿っているんです。
AIは「正解」、人間は「問い」
AIが得意なのは「正解を出すこと」。
でも人生やキャリアにおいては、そもそも“正解がない問題”の方が多いですよね。
「自分はどんな人生を送りたいか?」
「どんな仲間と働きたいか?」
「どんな失敗なら自分は笑えるか?」
これらの問いに、AIは答えを出せません。
いや、答えっぽいものは出すかもしれないけど、それが“あなた自身の答え”になることは絶対にない。
だからこそ人間の役割は、「正解を出すこと」じゃなくて「問いをつくること」なんです。
問いの方向性が決まれば、解くのはAIに任せればいい。
でも問いを投げかけられるのは、揺れ動いて、迷って、時に間違える人間だけです。
未完成だからこその強み
20代って「まだ何者でもない」という不安があります。
自己紹介で誇れる肩書きもないし、スキルもまだ中途半端。
「AIに負けたらどうしよう」と不安になる気持ちもよくわかります。
でも実は、この“未完成さ”こそが最大の強みです。
30代40代になると、キャリアが固まってきて、むしろ方向転換が難しくなる。
その点20代はまだ柔軟。やり直しもきくし、新しい分野に飛び込むことだってできる。
AIが仕事を変えていくスピードに一番適応できるのは、実は20代なんです。
「AIに奪われる」側じゃなくて、「AIと一緒に新しいものをつくる」側に回れるのは、まさに今のあなた。
人間の役割は、未完成さを抱えたまま進むこと
結局のところ、AI時代に人間が果たすべき役割は、未完成さを活かすことだと思います。
迷ったり、試したり、時には失敗したりする。
そのプロセスこそが意味を生み、共感を生む。
AIは“完璧”を提供してくれるけど、人間は“不完全”だからこそ物語をつくれるんです。
だから「AIに負けないぞ!」と気合を入れるより、
「不完全な自分だからこそできることがある」と開き直った方が、きっとラクだし前向きになれる。
最後にひとつ、問いを
もし世界が完璧すぎて、ミスも曖昧さも一切ない社会になったら──
あなたはそこで、何を壊したいですか?
その答えがきっと、「AI時代の人間の役割」に直結するはずです。